ついに夏休みが終わり、新学期が始まった。でもそれと同時に変わり始めた日常…。起こり始めた異変…。

この異変の始まりは、始業式の日の朝。
慌てふためいて俺の教室に駆け込んできた、陽路の一言から始まった。


「涼夜!蒼がまだ来ないの。家とか携帯にかけてもつながらないし…。」


前日まで一緒にいた人と突然の音信不通。陽路が慌てる理由もわかるし、俺にだってモヤモヤした気持ちが広がる。

だからその日の帰り、今にも泣き出しそうな陽路と一緒に蒼兄の家に行ってみた。

でも、何度呼び鈴を押しても誰も出てこない。それどころか、真っ昼間から閉め切られたカーテンが、家の中に誰もいないことを暗に示していた。