夏休みもあと残り一週間と迫った頃、俺は今日も蒼兄の部屋に来ていた。でも今日は陽路は用事があって来れないらしくて。今俺は蒼兄と二人きり。

さっきおばさんが持ってきてくれたジュースの中の氷が、カランと涼しげな音をたてた。

そんな静かな部屋の中、蒼兄が読んでいたマンガを閉じ、不意に口を開く。


「…涼夜ってさ、陽路のこと好きだろ?」

「……は?何いきなり。」

「いいから答えろ。」


いや、全然よくないし。
唐突な質問に加え、ちょっとばかり高圧的な態度。急にこんなこと聞いてくるなんて、ホントに蒼兄どうしちゃったんだろう。