今年も暑い夏がやってきた。
ようやく夏休みになったと思ってたのに、こんなに暑けりゃ何もする気にならない。

おまけにこの宿題の量…。
三度目になるこの夏休み、例年通りだと言ってしまえばそれまでだけど、どうして学校ってヤツは夏休みまで勉強なんてさせて、休ませてくれないんだろう。

小さくため息をつき、左手で頬杖をつく。そして宿題のプリントに向けていた視線を、窓の外に投げた。


「…ちょっと涼夜。何やってんの。あたしたち、もうプリント終わるよ?ぼーっとしてないでさっさとやりな。」


はぁっていう大きなため息とともに俺に向けられた声。声の主に視線を向けると、眉間にしわを寄せた幼なじみが俺を睨みつけていた。