全てがキミだった

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「でもまぁ、よくそこまでして人を好きになれたよね。そこは感心するよ」
 


屋上のフェンスに寄り掛かりながら綾が言った。


あたしには出来ないと、自嘲するように微笑みながら。


「強いよね。ちょっと感動したもん。
こんなにも人を好きになれるってそう簡単に出来るものじゃないから」

「強くなんかないよ」
 

わたしは六年前のあの頃と同じように、グランドを見下ろした。


「その証拠に六年もかかってる。
まだまだ時間が掛かるかもしれない」
 

やっぱりまだ、ふっ切れない。


「なんか、悪いことした。ごめん、強制的に諦めろとか言って。
なんか、だんだんそれでもいいのかなって気がしてきた」

「それでもいいって?」

「諦める必要なんてないってこと。
もちろん、一生ってわけにはいかないけど、亜美が自分でこの人と一緒になりたいって思える人と出会うまで、好きでいてもいいと思った」