「俺さ、こっちに帰って来たのには、理由があるんだ」
公平は、あの真っ黒なボールをギュッと握った。
何かを言い躊躇っているのが、わたしに伝わってくる。
「本当は、俺、こっちに戻って来てさ、池内に会う勇気がなかった。
ここには、池内がいるってわかってたのにさ。
おまえに会いに行けなかった……
会う資格がないっていうか……」
「………」
「何かあるわけじゃないけど、なんとなくな……。
だけどさ、俺らって、やっぱり何かで繋がってんのかもな。
まさかあのコンビニでおまえに会うなんて思ってもいなかったよ」
公平は言った後に、ハハッと笑った。
わたしも頷きながら、一緒に笑う。
「6年ぶりに会った池内は全く変わってねぇし」
「それは、公平だって同じじゃん」
「そうか?」
「そうだよ」
また、二人で笑う。



