全てがキミだった



部屋に戻って、“あの箱”を見つめた。


――『久しぶりに見たよ。亜美が声出して笑ってるとこ』



実感がなかった。


だって、公平と再会して、わたしは心から笑えていなかったのだから。



愛しい人とまた会う事が出来て、こんなに長い時間を共に過ごせて――。


本当は物凄く嬉しいはずなのに、わたしは公平の事が好きすぎて、逆に嬉しいなんて思えなかった。


挙句の果てに、辛い過去ばかりが蘇る。


公平と一緒になって声を出して笑っていたなんて――。


『あまりにも楽しそうで、声かけらんなかった』



――公平の事が好きすぎて。