「これといって何も……」 12歳も年が離れた妹の前で、不自然に目を泳がせてしまう。 どこまで情けない姉なのだろう。 視界の隅に映る梓は、パタンと引き出しを閉めると、冷ややかな目でわたしを見ていた。 どうせ、『亜美らしい』とか、『最低』だとか言うんだろう。 普通にそう思っていたのに…… 次に梓から出てきた言葉は、全く予想していないものだった。