「前にさ、屋上から飛ばしたでしょ?」 わたしが言うと、公平は眉間にシワを寄せながら記憶を探っていた。 「紙飛行機、作って飛ばしたじゃん」 「あぁ、あん時ね。 それとなんか関係あんの?」 わたしは一時間を開けると、肩をすぼめながら隣の公平を見た。 「あの時に使っちゃった。 進路希望の用紙」 苦笑しながら答えると、公平の目が丸まった。 あの時飛ばした紙飛行機は、どこに行ってしまったのだろう。 どこかの木の枝にでも引っ掛かって、雨に打たれてどろどろに溶けて自然にかえっていったかもしれない。