全てがキミだった



「こらっ、おまえら何やってる!」

「うわ、やべっ」


突然先生の怒鳴り声が聞こえ、わたしは公平と同時に肩をびくつかせた。


わたし達の担任が、物凄い形相で走ってくる。


「池内、逃げるぞ」


わたし達は、水風船の残骸をその場に残したまま、担任から逃げる為に全力で走った。


競技では、こんなに早く走れないだろう。


後ろから追ってくる担任が、また大声で叫んだ。


「おまえらっ、最後の体育祭くらい真剣に取り組めよっ!」

「はっ?先生、俺、マジで走ったんだけどーっ」

「違うっ!そういう事じゃなくてっ」


中年の担任は、すでに息が上がっている。


言いたい事さえ、もう言えなくなってるようだ。


「池内ーっ。
おまえも、進路希望用紙も出さずにふざけてばっかだろうがーっ!」


全力で走りながら、今それを言うか?と、眉をひそめて先生を振り返った。