全てがキミだった



「わり、お待たせ」


体育服に着替えてきた公平が、わたしの元に走ってくる。


わたしは水道からお尻を上げ、先ほど預かったタオルを公平に渡した。


「サンキュ。汗くさかった?」

「かなりね。しかも湿ってたし」


なんて、可愛げもないことを言って肩をすくめる。


公平も、ハッと笑った。


「なぁなぁ池内、これやらね?」


そう言って、手に握っていたものをわたしに見せる。


「なにこれ」

「え、池内知らねぇの?
水風船」

「知ってるよ」


わたしは、ぶすっとして答える。


公平は袋から水風船を取り出して、蛇口に風船を付けて水を入れ始めた。


どんどん膨らんでいく水風船。


公平は水風船の口を固く結ぶと、それをわたしの手に乗せてきた。