全てがキミだった



複雑な気持ちを抱えながら、わたしは最後まで公平と手をつなぎゴールした。


今のこの胸の高鳴りは、公平の新鮮な姿を見ての高鳴りと、いつか公平はミサキの元へ行ってしまうんだという不安からの高鳴りだった。


ゴールを切った公平は、タキシードが暑かったのか、胸元をパタパタ扇いで中に空気を入れていた。




「池内、俺着替えてくるからさ、ちょっと待っててくんね?」


ゴールしてもなお、公平はわたしを自由にはしてくれなかった。


わたしは、やっぱりただ頷くだけ。



テントから離れた水道に腰かけて、公平の着替えが済むのを待つ。


空は今頃になって晴れ始め、先程までの灰色の雲はどこか遠くへと消えていた。