全てがキミだった



わたしは、目を見開いて公平の横顔を見た。


真っ直ぐに前を見ている公平は、とても真剣な表情をしている。


――『愛する花嫁』


それが、何故わたしなのか。


ミサキがいないのだから、仕方ないのはわかる。


今、ミサキの変わりに公平の隣を歩けるのは、わたししかいない。



「おまえしかいないからさ」


ほらね。


「あの紙の指示を読んで、一番に浮かんだのはおまえだったから」



―――…っ



いつも、いつも、いつも、いつも、いつも。


どうしてわたしの心をそうやって揺るがすのか。


ミサキの名前を口にしないと思えば、急にわたしを突き放そうとしたり。


諦めようと思った時に、そうやって優しくしたり。


どうして公平は、わたしを離さないのだろう。