全てがキミだった



「池内、ごめんな。
突然、こんな」


わたしは、ううんと、首を横に振る。


グレーのタキシードを着ている公平に、たくさんの視線が集まっていた。



「どうして普通に走らなかったの?
これって、公平だけ?」



やっとの思いで出せた声。


他のみんなは、衣装に着替えて一人でゴールしていたのに、どうして公平だけ二人なのだろう。


「他の奴らが引いた紙にはなんて書いてあったのか知らねぇけど、俺のには、こう書いてあった」


タキシードのポケットから紙を取り出すと、それをわたしの手のひらに乗せてきた。


公平とグランドを歩きながら、その紙を広げてみる。