全てがキミだった



「ちょっと、亜美っ!
公平くん、こっち来てるよ」


香織が、放心状態のわたしの肩を揺らし続ける。


公平は、確かにわたしが座っているテントへと走って来ていた。


真っ直ぐにわたしを見ている。


深く絡まり合った視線は、そう簡単には逸らすことが出来なかった。


周りからも『こっちに来てるよ』なんて、甘い声が漏れていた。



……公平


その格好――。




「池内」


わたしの前まで来た公平が、静かにわたしの名前を呼ぶ。


一斉に、周りの視線がわたしに集まった。


「一緒に来て」


そう言って、公平はわたしに右手を伸ばしてきた。