「池内」
仮装リレーの準備に向かう公平が、頭に赤のハチマキを巻きながら、女子の座るテントへとやってきた。
わたしは不意に呼ばれ、公平の声がした方に顔を向ける。
「リレーの間、これ持ってて」
そう言って、今まで首にかけていたタオルを、突然わたしに投げてきた。
ふわっと宙を舞ったタオルが、わたしの手の平に落ちてくる。
「汗臭かったらわりぃ」
悪びれもなくそう言って、片手を上げて走って行った。
タオルから微かに伝わる、公平の熱。
公平の汗でタオルが少し湿っていた。
ぎゅっとタオルを握りしめながら、走り去る公平の背中をずっと見つめていた。
このタオルにまで嫉妬してしまうわたしは、相当やばい――。



