三羽烏の舞って、聞いたらさ、

三人揃って厳かに舞う踊りとか思うじゃない?



それがなんと、喧嘩凧のことだった。



身の丈ほどもある大凧を崖の上から一斉に上げ、接触させて戦わせる。

勿論、一人じゃ無理だから、大の大人が数人掛りで凧を上げるのだ。



凧を支える人。

引き綱を持って崖を上る人。

最後に引き綱が上がったところで凧に紐が結ばれた。



崖の上には黒装束に身を包んだ三羽烏。



長の凧には、黒地に竹の緑の文字。

戸隠のお爺様の凧には、黒地に赤で鳥居の絵。

心波の凧は、黒地に白抜きで心の文字。