薄暗い蒼の世界。

 少し暗いそこは俺にとったら居心地がいい。

 美華には明るいところが合うと思うが。

 ああ…でも、太陽より月のほうが似合うか。

 まあこいつが楽しそうならそれでいいんだけど。


「マグロ大きいね!」

「おー、何人前だろうな」

「もう、そうじゃなくって…!」


 膨らんだ頬を潰して泳いでいるマグロを見る。

 前にも来たのに飽きないのか、同じとこで水族館デート。

 2回目なのにキラキラした目で見てる美華。

 ま…そんなとこも可愛いんだけど。

 …クラゲ見て可愛いっつーのはおかしいだろ。

 ぐにゃぐにゃしてるとは思うけど。


「イルカショーは13:00からだよな?」

「うん、でもペンギンのお食事タイムが12:30からだって」

「…見てぇの?」

「…だめ?」


 ペンギンの食事見てどうすんだよ。

 ここには…えーっと、キングペンギンとフンボルトペンギン、ジェンツーペンギンとイワトビペンギンがいるんだっけか。

 美華に付き合ううちに、俺も動物に詳しくなってきた。