「あのときは凄かった…」

「こいつ性格わりーとか思ったし」

「ちょっと…すごい失礼なんですけどー」

「ハッ」


 思いっきり鼻で笑ってやる。

 膨れた頬を押し潰して空気を抜く。

 ほんとこいつ、こうゆうとこ変わってねぇよな…。


「ねえ、喉渇いたからジュース買ってくる」

「わかった、気を付けろよ」

「うん、斗真はいつものだよね?」

「ああ」


 部屋を出ていく背中を見送った。

 あの頃はあんなに辛くて、毎日がキツかった。

 けどそれも…アイツのおかげで毎日が充実してたっつーことなんだよな。

 何年経ったって忘れることはない。

 あの1年は俺の中で確かに青春で、きらきら輝いていた。

 窓を見上げれば青い空が繋がっていた。

 あれからもう…5年以上、経った。

 俺は今でも覚えてる。

 笑顔も泣き顔も怒った顔も…涙、も。

 俺の中で忘れられない、大切な思い出。

 大切な過去。

 君は今…何を考えていますか?