ちなみに担任って、大西って名前の男。
教壇に両手をついて、教室中を見渡す大西。
お前、目をパチパチさせずきだってんの。
大西は、自分のクラスの平均点が低かったり大切なものを配り忘れた時など、ヤバいと思った時にまばたきの回数が増える。
今度は何に焦ってんだよ~?
体を横に向けて足を机の外に出し、顔だけを黒板の方に向けて大西が話し出すのを待つ。
――100回くらいまばたきをしてから、大西はやっと動き出した。
動いたのは口ではなく、手だった。
白色のチョークを持って、黒板に字を書き出した。
お
は
よ
う
口で言いなさ~いよ、大西!


