ばらまかれたクスリ



呆れて何も言えない。



みんなバカすぎだ。



何語を話しているか分からないナツキの額を人差し指の腹でグリグリして、自分の席のイスに座った。



なぜって……ホームルームが始まるから。



一応、担任が教室に入ってくる前に席につくようにしている。



オレって、マジメ~。



席についたまま、急に頭の中で流れてきたちょっと前のコブクロの曲を、ふふん~っ、と鼻で歌う。



「ふんふんふんふんふ~ん、ふんふんふんふんふ~ん、ふ~ふんふふ……」



1番のサビに入って盛り上がってきた時――ガラッと音がして、無言で担任が入ってきた。



くう~!



クソッ!今いいとこだったのに!