ばらまかれたクスリ



「せっかく新しいシャンプー買ったのに、シャンプー代がもったいないじゃん!」



……何か言ってることがずれてるような……。



今、金の心配をしている場合なの?



ツルツルになった頭を2、3度触った美歩は、近くに置いてある小さい入れ物に入ったシャンプーを手にとった。



何をする気?



「お姉ちゃんは頭って、シャンプーで洗う?ボディーソープで洗う?」



手のひらにのったシャンプーが、両手によって一気に泡立てられた。



そして、そのまま頭皮へ。



彼女は、泡で一生懸命に頭を洗う。