私はいつもの公園でいつものベンチに座り、そしていつも通りに絵筆を奔らせている。

時折だけど、公園で遊んでいた子供達が私の方へやってきたりする。

「おねぇちゃん上手だねー」

「お絵描き屋さん?」

子供達の無垢な笑顔。

飾らない言葉は、何度触れても真っすぐに私を元気づけてくれる。

「違うよ。お姉ちゃんは写真屋さん」

そう言って私は、ベンチに置いてあったカメラを子供達に見せる。

「おぉ、カメラだぁ。格好良い」

「おねえちゃん撮ってみせてよ」


子供達は私に向かってピースや変な顔をしている。

可愛いなぁ。

でも――

「ダーメ。これはお仕事をする為の物なの」


私はカメラと言うものが好きじゃなかった。