「………五穂…………。



八の妖力…そして自らの、お前を想う気持ち…。
九の妖力を使い、俺は…ようやくお前を見つけ出した…。

十一年を費やし…ようやく…。



今日、お前に拒まれれば、俺は命を落とす。

お前に救われたこの命…。
なんとか絶たせまいと…俺は手を探した…。









だが、もう何も無い…。
何も要らない…。






お前にもう一度会うことが…
俺の願いなのだから……。」




五穂はもう恥ずかしがることも忘れ、炎尾の背に手を回した。

そして、消え入るような声で言った。


「…何故……そんなことを仰るのですか……?




私が…貴方様を拒むと……そう決まっているのですか……?」




炎尾はしばし黙り、やがて重い口を開いた。