* * *

風がびゅうっと吹いてくる。
あたしと翔吾…二人っきり。


「で?何?」

「えっと…あたし…。」

「うん。」

「あ…り…がとうって伝えなきゃって。」

「はぁ?何をいまさら。」

「あたし…ちゃんと言ってなかったから…
あの…あたしが悠夜にふられた雨の日…
あたしを救ってくれてありがとう。」

「救ってっておおげさな。」

「あの時は言えなかったけど…
翔吾がいてくれたから…あたし立ち直れたよ。」

「んだよ…らしくねぇな。」

「あたしだって…らしくないって分かってるもん。」


分かってるもん。そんなこと。
だからこんなに恥ずかしいんじゃんか!!
そんなことも分からないで…バカ翔吾!!