不器用な前奏曲

* * *

「翔吾先輩…
来てくれたんですね。嬉しい!!」

「お前のために来たんじゃない。」

「全然いいですよーこれで独り占めできるし」


そう言うと、日坂は腕を絡めてきた。

美咲にこういうことされたら嬉しいんだろうけど…
好きでもないやつにこういうことされるとうざくてたまんねぇ…


「離せ。」


俺は冷たくあしらった。
俺は気のない奴に優しくすることほど残酷なものはないって思ってる。
でも日坂は全く気にしない。


「先輩、今日はデートなんですから。
ていうか今日は私の言うこと聞いてもらいますよ。」

「はぁ!?」

ヤバい。
このままじゃ完全に日坂のペースに持っていかれる…
直感的にそう思った。