◇葉凪◇

私たちは車で空港に向かっていた。


利琥が、危ない?


聞き間違いだよね?

利琥が車に轢かれたなんて。





「降りろ、早くパリに向かうぞ」




利琥に、逢いに行く。

大丈夫だよね?


まさか………ううん、考えるの止めよう。



「葉凪、大丈夫か?」

「うん……」


「すぐ発つ便があるって!席も空いてる!!」





「よし、乗るぞ!」

「うんっ」


利琥…今、逢いに行くから!!



「葉凪」

隣に座っていた哉弥が、私の名を呼ぶ。


「え?」



「あいつが…好きになっちまったか?」


「な、何言ってんの!?私は…今も、これからも利琥が好き!愛してるよ!!」

ぎゅっと拳を握る。



「その言葉、信じてるからな」