「あ、そうだ礼拝堂の掃除の途中だったんだ。ごめんねリリー。私もう帰んなきゃ。ばいばーい。」
突然そう言いだしたかと思うと、マールは笑顔で手を振り一目散に防壁の中へと消えていった。
リリーは目の前で嵐が過ぎ去ったのを目撃したかのようにキョトーンとしていた。
そして今更ここに来た理由を思い出すのだった。
「あ、マールちゃんに会いに来たんだった……」
カムイにそのことを言うと珍しくカムイが笑ってごまかした。
結局ロディーと一緒に2人は修道院に行くことになった。
「それにしてもマールは強いですね。マールがいなかったら俺達マザーにやられてたかもしれいところでしたよ。」
戦いの場面を思い出しながらカムイがそう言うとロディーは笑顔で答える。
「修道女達はただ治癒術が出来ればいいわけではないので。他を護る為にはまず自らを守れる強さが必要。というのが教えじゃからの。」
そう言ったロディーが少しかなしそうに笑ったのをカムイは見逃してはいなかった。
そして日が沈んだ頃。
3人は修道院に辿り着いた。