「う、うぁっ、うがぁぁぁぁあっ…」

カムイの断末魔が部屋にこだまする。

「ふむ。脳に埋め込まれたメモリーチップから記録をダウンロードしているだけだというのに、こうも断末魔が煩いのは改良の余地があるね。」

いったいどのくらいの時間が経ったのかは分からないが、一瞬にしてカムイは頭の痛みから解放される。

「…なるほど。いやはや、やはり。と言うべき結果になってしまったな。」

オスカーが呆れたように両腕を挙げてそう言った。

「…今のは、いったい?」

カムイが問うとまたしばらくしてから返答が返ってきた。

「…リダクション・スフィアとは、あの世界に生きていたモノ全ての記憶と記録が打ち込まれた、莫大な量のデータを記録できるファイルなんだ。」

クラナドがそう言うとカムイはより不可思議な回答に困惑した。

その様子を見てマールが切り出す。

「順を追って全てを説明してあげるわ。」


「まず我々のことから教えてあげよう。我々は"地球"という星に住んでいた人間の最後の生き残りだ。」

「チ…キュウ?」

アストンがコンピュータに何かを打ち込むとカムイの目の前に新たな画面が現れた。

それはカムイが見たこともない惑星を映し出した。

「青い惑星…これがチキュウ。」

すると、その隣にもう一つの画面が現れ、同じ惑星を映し出した。