その手に触れたくて


その隼人との距離を縮めようと、あたしはゆっくり足を進めた。


「隼人――…」

「卒業おめでと」


言いかけたあたしを遮って隼人は口角を上げる。


「あ…うん」

「俺はやり直しだけどな。…でも頑張るわ」


苦笑い気味でそう言った隼人は軽く息を吐きだす。


「…うん」

「で、どした?」


ポケットに両手を突っ込んでる隼人は不思議そうに見つめる。


「隼人さ…」

「うん」

「隼人…」

「……」

「…何で彼女なんて作ってんの?」


思わず小さくなった声に、


「は?」


隼人の素っ気ない声が聞こえる。



「…え?」


だからあたしは思わず落としてた視線を上げた。