その手に触れたくて


気がつけば隼人を探してた。

足が勝手に進んでって、隼人の行きそうな所を全てさがした。


家にも行ったしよく溜まってる空地にも行ったし、あらゆる所を全て探した。

でも隼人は居なくて何処に居るのかも分かんなかった。


だからと言って電話をするような気にはなれなかった。


でも、ふと気になる所があった。

別にそことは限らないけど、あたしはその場所に向かった。


長い長い階段が続く丘。

見ただけでも嫌気がさしてくるほどの長い階段。


隼人と二人だけの“秘密の場所”って言ってた丘。

息を切らして登る先に見えたのは芝生の上で仰向けになって寝ている誰か。

その、誰かは確認しなくても分かった。


「…隼人!!」


まだ回復してない荒い息。

その乱れた声で叫ぶと、寝転んでいる誰かが身体を起した。


「…は?美月?」


やっぱり隼人だった。

荒れた息を整えようと、空を仰ぎ深く深呼吸をする。そしてすぐに隼人に視線を向けた。


「こんな所で何してんのよ」

「何って夜景見に来た」

「夜景って、まだ昼過ぎじゃん」

「うそうそ、景色見に来た」


そう言った隼人は薄ら笑いながら立ち上がる。