その手に触れたくて


「美月さぁ、ホントにいいわけ?」


みんなが旅立つ卒業式が終わった後。

卒業証書を持った夏美は顔を顰めて一息吐く。


「いいって何が?」

「もー隼人と会えなくなっちゃうよ?」

「うん」

「ふーん…そっか。ま、美月がそー言うのなら仕方ないか。まぁ、あれだよ…隼人も女出来たしね」

「…え?」


その一言で思わず目を見開いた挙句、これ以上言葉を失いそうになった。

隼人…女出来たの?


ホントに?


「2年の奴らはさ、隼人が留年するだけでウキウキみたいよ。そりゃそーだよね、邪魔もののあたし達が消えるとそうなっちゃうしさ」

「……」

「あー、でも、もう美月には関係ないっか」


ニコっと微笑んだ夏美は、「さ、帰るよ」そう言って、そそくさと教室を出てく。


何でかしんないけど心が痛くなってしまった。

隼人に女が居るって知ってしまったから?


え、何で隼人・・・もう女作っちゃってんの?



だから…


あたしの中での変な感情が芽生えてしまった。