傷が痛いはずなのに痛みを感じなくなる。 「圭…。」 「ん?」 圭が今日、初めて口をきいてくれた。 おはようと言っても何も言ってくれなかった。 でも、今名前に反応してくれたことが単純に嬉しかった。 「ずっと…ずっとごめんね。…ごめんなさい。」 「バカ。俺がわりぃんだよ?」 違うよ。 あたしが悪いんだよ。 あたしが圭を傷つけた。 圭の笑顔を奪った。 「圭…。」