あたしは吉原しのぶの部屋の本棚を思い出した。
確か江戸川乱歩の名前もあった気がする。
「乱歩に限らず、夢に魅せられる人間は多い。殺された吉原しのぶもその1人だったかもな」
彼女が死んだ今となっては確かめようがないことだけども。
達郎はそう付け加えた。
…。
なんか、事件は解決したけども、謎は残ってしまったような…。
でも達郎の言うように、こればっかりは確かめようがない。
うーん、でも…。
「さてと」
煩悶するあたしを無視して、達郎は席を立つ素振りをみせた。
「悪いレミ。今日はおごってもらえる?」
そう言ってあたしに伝票をさし出す。
「別にいいけど?」
横倉に襲われるとこ助けてもらった恩もある。
あたしは達郎から伝票を受け取った。
「珍しいわね。どうしたの?」
こういう場合、あたしらはたいてい割り勘だ。
達郎がおごってくれと言うなんて滅多にない。
「金欠でね」
達郎はバツが悪そうに言った。
確か江戸川乱歩の名前もあった気がする。
「乱歩に限らず、夢に魅せられる人間は多い。殺された吉原しのぶもその1人だったかもな」
彼女が死んだ今となっては確かめようがないことだけども。
達郎はそう付け加えた。
…。
なんか、事件は解決したけども、謎は残ってしまったような…。
でも達郎の言うように、こればっかりは確かめようがない。
うーん、でも…。
「さてと」
煩悶するあたしを無視して、達郎は席を立つ素振りをみせた。
「悪いレミ。今日はおごってもらえる?」
そう言ってあたしに伝票をさし出す。
「別にいいけど?」
横倉に襲われるとこ助けてもらった恩もある。
あたしは達郎から伝票を受け取った。
「珍しいわね。どうしたの?」
こういう場合、あたしらはたいてい割り勘だ。
達郎がおごってくれと言うなんて滅多にない。
「金欠でね」
達郎はバツが悪そうに言った。


