「発見者が警官で良かったな」
達郎はブナの木を調べながら言った。
「どうして」
「素人だったらショックで気絶してたろ」
「そういうことは言わないの」
たしなめながらもあたし日野麗実は内心、同じ事を考えていた。
真夜中の公園で血まみれの死体を見たら…まぁ達郎の言う通りだろう。
「死んだのはホステスだっけ」
「名前は吉原しのぶ。クラブ『ルノワール』のホステスよ」
年齢は22才。この公園近くの高級マンションに一人暮らし。
両親とは幼い時に死別。
兄弟もおらず、高校を卒業するまで施設と遠縁の親戚筋を転々としていたらしい。
「身内と呼べる存在はナシか。そりゃ良かった」
達郎の言い方にちょっと腹が立った。
「なんでそんなこと言うのよ」
「親兄弟に喉かき切られた身内の死体見せるわけにゃいかないだろ」
まぁ…それもその通りだけど。
達郎はブナの木の根元にかがみ込み、地面を眺めた。
「指紋も足跡もなしか」
達郎はブナの木を調べながら言った。
「どうして」
「素人だったらショックで気絶してたろ」
「そういうことは言わないの」
たしなめながらもあたし日野麗実は内心、同じ事を考えていた。
真夜中の公園で血まみれの死体を見たら…まぁ達郎の言う通りだろう。
「死んだのはホステスだっけ」
「名前は吉原しのぶ。クラブ『ルノワール』のホステスよ」
年齢は22才。この公園近くの高級マンションに一人暮らし。
両親とは幼い時に死別。
兄弟もおらず、高校を卒業するまで施設と遠縁の親戚筋を転々としていたらしい。
「身内と呼べる存在はナシか。そりゃ良かった」
達郎の言い方にちょっと腹が立った。
「なんでそんなこと言うのよ」
「親兄弟に喉かき切られた身内の死体見せるわけにゃいかないだろ」
まぁ…それもその通りだけど。
達郎はブナの木の根元にかがみ込み、地面を眺めた。
「指紋も足跡もなしか」


