月と太陽の事件簿6/夜の蝶は血とナイフの夢を見る

「やぁ洋子ちゃん。しのぶの話をしたくなってね。相手をしてもらおうかと思ってきたんだ」

横倉はそう言って洋子に笑いかけた。

「こちらの方々は?」

「しのぶの事件を調べている刑事さんたちです」

あたしたちが目礼すると、横倉は深々と頭を下げた。

「はじめまして。横倉です」

渡された名刺には都内に複数あるスポーツジムの名前が書かれていた。

都内に複数展開か。

なかなかのやり手社長のようだ。

「横倉さん自身も元スポーツ選手なんですよ」

「テニスを少しかじってただけだよ」

横倉は謙遜したが、洋子の言う様に元スポーツマンの面影はあった。

40近くには見えないほど肌には張りがあるし、髪も黒々している。

確実に10は若く見える。

「もし良ければ横倉さんにもお話を伺いたいのですが」

あたしがそう尋ねると

「わたしが協力できることなら」

横倉はそう言ってうなずいた。