正面の喫煙席に座っていた女性が、おもむろに胸ポケットから煙草を取出して吸い始める。 そんな様子を見た杉宮は、意味深気な顔をしながら話を続けるのだった。 「俺と佐野先生が初めて会った時のこと知りたい?」 鴨居は無言で頷く。 佐野も同じ様なことを言い掛けたが、結局ジラされてしまっていたので、鴨居は興味津々だ。 杉宮はビールをぐびっと一口飲むと話しはじめた。 「まだ、大学に入ったばっかで友達も居なかった頃、嫌いな講義の時によくあの場所に逃げてたんだ………