しばらくすると、もう一度インターホンが鳴った。


私は、秀様の部屋に荷物を運び終わったところだったので、あわてて二階から階段を下りて扉へ直行した。

「はい。どな………」

私が言い終わる前に扉が開いた。

すると、秀様と同じような顔をした青年が立っていた。
私が荷物を持とうとすると、その青年は一言、

「いい。触んな。」

と言って一人でつかつかと二階に行ってしまった。



しばらくして、私がお茶を運んで行こうとすると、二階から奥様の、

「あらまぁ、翔も帰ってきたの!うれしいわ」

と言う声と、

「煩い」

と言う、翔様(さっきの奥様の声からして)の声が聞こえた。

私は、やっかいな人たちが来たと思ったが、顔には出さなかった。

何年ポーカーフェイスやってると思ってんの。(聞いてない)



そして、お茶をそっと持って二階へあがった。

そして、ノックをして、言った。


「皆様、お茶をお持ち致しました。」

その直後!!

いきなり扉が開いて、私の持っているお茶をのせた木のおぼんに扉が直撃した!!


そしてそのまま私側にお茶ごとおぼんがひっくり返り…。





容器はかろうじて私が三つ手で受け止めたが、中身は思いっきり私の体にかかった。


もう、あっついのなんの・・・・。

絶対ヤケドした。



奥様がすぐにタオルをとりにすっ飛んでいった。




すると、いきなり私の体がふわりと浮かんだ。


「・・・・!!?」


「大丈夫かッマジごめん!」

秀様・・・・


ふざけんな・・・・。


「平気です。おろしてください」


平気なワケねぇだろうがっ

って言うのを抑えて得意のポーカーフェイス。

しかし私の顔をみても秀様は動じない・・・。

「とりあえず服脱げ!」

はっ!?

「たいしたことありません。大丈夫ですから。私の不注意です。秀様は席にお戻りください。」