「ははは。以下同文って、俺が最初なのに……」


「そしてこちらが金一封です」


 待ってました!

 でも俺はまるで「そんな物には興味無いです」といった風情で封筒を受け取った。


「また何か有ったら宜しく頼むよ。それでさ……」


 その後三塚さんが何を話したのかまるで覚えていない程、俺は封筒の中身が気になっていた。

早々に交番を後にして、角を2つ曲がって早速中を覗くと、そこには500円玉が一枚。


「なんじゃこりゃあ!」


 俺は恥も忘れて交番に取って返していた。


「三塚巡査! 何ですかこれは! 子供の小遣いじゃないんだから。残りはどこにやったんですか!」

「え? 残り?」


 三塚さんは目を見開いて驚いている。


「金一封の残りですよ。俺がホームレスだから、500円で充分だとでも思ったんでしょう!」


 最初はキョトンとして、何の事やら皆目見当が付かないという感じだった三塚さんだが、何かに思い当たったのか笑顔になり、しまいには声を上げて笑い出した。


「はっはははは。こういう時の金一封はね、500円なんだよ。感謝状を持っている事が名誉になる訳だし。警視総監賞と同額だよ? もっと喜んでいいんだよ!」