そんな俺にとって甘い時間は、 時間にすると約10秒位のもので、 俺は夢を見てるのかと思っていた。 でも アイツは… 俺の体を力いっぱい突き飛ばして。 「ケンタの馬鹿!!」 って捨て台詞を残して、 教室を飛び出して行った。 俺は、教室の床に座ったまま、動けなかった。 葵が俺の顔を見てなくて良かった。 きっと俺、 今めちゃくちゃ情けねぇ顔してる――…。