そんな時に限って、 忘れ物が見つからないし。 「あ、あれ? 確かにここに入れたのに… おかしいな…?」 ケンタが、 「何忘れたんだよ?」 って言いながら、近づいて来てしまって、 ますます焦る。 「あー、大丈夫だからっ」 私に構わないで欲しいのに! その時プリントが宙を舞い、そこら中に散らばってしまった。 「葵…何やってんの?」 ケンタの笑いをこらえたような声がした。 あぁっもう何だかわかんないけど帰りたい!