幼さが残って可愛いんだけど、何処か艶っぽい、そんな役者とかモデルねぇ……。


「…………あ」


いるわ。私の頭の中には、その言葉がぴったりなあの可愛いふにゃあと笑う顔と、『姫さん』って呼ぶ低くてきゅうんとする声が真っ先に浮かんだ。


「いやいやいやいや、ダメダメ!それはダメなやーつ!」


「何、姫ちゃん一体どんな想像したの?」


幸四郎は私に嬉しそうに八重歯を出して笑いかけ、私の次の言葉を待つ。


幸四郎って笑うと可愛い感じなんだよなぁ。だから邪険に出来ないんだよ。


「ねー、姫ちゃんが思い浮かべたのってまさか、例のダックスフント君、だったりして?」


……鋭い。流石どこにでも目を光らせる洞察力が上司に評価された男は違う。


幸四郎の鋭さと勘の良さ、今は恨みます。