「いっただきまーす!」


「お、尚志最近弁当だよね、玉子焼ウマソー。姫さんの手作り?」


いつもの学校、いつもの学食。早苗はおばちゃんのサービス満点日替わりランチよりも先に、俺の弁当の玉子焼を奪う。


「おいふざけんなよー!俺ももーらい!」


「あっ!エビフライ!玉子焼とエビフライじゃ割に合わないよぉ……ってか、姫さんの玉子焼、尚志ん家の玉子焼の同じ味だぁ」


どうやら、俺のお弁当は姫さんが作っていると思ってるらしく、幸せそうに食べてる早苗が可哀想に見えてきた。


「ごめん、それ、俺が作ってる。姫さんってば、忙しさにかまけてコンビニ弁当とかカップ麺ばっかだから体に悪そうで」


「ちょ、エビフライに引き続き、俺のときめきまで奪っちゃうー?返せよぉ」


「勝手に勘違いして食べた早苗が悪いんじゃん。まぁ、どんどん料理も上手くなってる俺の実力もあるけどね」


えへへ、と笑って手作りのポテトバターを食べれば、絶妙な甘じょっぱさ。