【完】キス、kiss…キス!

完全にスイッチの入った俺は、後ろ向き姫さんをぎゅうっと抱きしめて腕の中に閉じ込める。


「ナオちゃん?どうしたのぉ?」


「姫さん、俺も男なんです……もう無理です」


俺が耳元に囁くと姫さんはそのままくるりと振り返り、何故か、またあの無邪気な笑顔を俺に向けて来たのだ。


広瀬尚志、16歳。ここで行かなきゃ男が廃るってもんだ!


姫さんは俺にもたれ掛かるように体を預けて来た。


これは、良いってことだよね?そう思って良いよね?


「姫、さん……」


そんな彼女の顔を、熱い視線を送って覗き込んむ。


……な、嘘、でしょお!?


俺は目の前に広がる光景に、邪念も思考も全てストップして、カッチンコッチンに固まってしまう。