【完】キス、kiss…キス!

「もう!なんか着て!ヤバいから!」


俺はとりあえず自分の黄色いパーカーのファスナーを降ろし脱ぎ、それを素早く姫さんに羽織らせた。


「今はまだ夜は寒い季節!風邪引くでしょ?ね?ね?ね!?」


熱そうな顔をして、今にも脱ぎそうな姫さんを、半ば無理やり説き伏せて納得させる。


「へへぇ、ナオちゃんは優しいんだね、ありがとぉございまぁす!」


姫さんはダボダボのパーカーに腕を通して、へにゃっと微笑む。


……ってちょっと待て、なんかますますやらしい見た目に!


俺のパーカーは俺にでさえ大きめなんだから、姫さんが着たらミニスカートワンピース状態。


これ、彼シャツってか彼パーカーじゃん。俺まだ彼氏じゃないけども!


広瀬尚志、16歳。思春期男子になんと甘い誘惑なのでしょう?