【完】キス、kiss…キス!

そんな幸せな気持ち全開のまま、俺はお湯を出し、タイマーをかける。


ここで待ってるのもあれだし、俺は沸くまで、一旦リビングに戻ることに。


しかし、リビングに戻って数秒後、目の前の光景に浮かれた気持ちがポーンと飛んでいってしまう。


「姫さん、もうちょっと待っててね……ってうぉぉい!?」


ビックリして、滅多に出さない野太い叫び声を上げて、俺は後ろを向いてしゃがむ。


「あれぇ?えっへっへ、どえしたの、ナオちゃん?」


どうしたのはこっちの台詞ですよ、姫さん。


「姫さん……なんで、下着姿なんですか!」


そう、姫さんの纏っていたスーツはソファーの下に無惨に投げ捨てられ、姫さんを隠す布は黒色の、大人にしか似合わないセクシーな下着。


今までの歴代の彼女達の体つきや着けていた可愛いレースとか花柄とかの下着が、あまりにも子供だったことに改めて気付かされてしまう。


それほど、姫さんは、年上の女性は、成熟していて俺にとって未知なる存在。


「だって体熱いし……お風呂入るじゃん?」


ホント、無防備にも程がありますって!酔っ払いって、皆こんなんなんでしょうか?そうだったらヤバいでしょ。