ドキドキしちゃってなんか口の端がモゴモゴせわしなく動いてしまう。


あーもーキモいよ、我ながら!いくつよ私!


なんて少し半ベソかきそうになってたりして、手からは涙代わりの汗がべっとりだし。


それを拭いて、緊張と期待でドアを開くと、そこには、天使が立っていました。


「おはよ、姫さん」


「おっ…おはおはおはよっ!」


二日に一回も会ってるのに、ナオちゃんを見た瞬間、心臓がもっとバクバクして、動揺が止まらない。


だって、だってだって!ナオちゃん滅茶苦茶カッコイイんだもん。


あのダックスフントみたいな茶色いふわふわヘアーはワックスで無造作に遊び、洋服はパンクロックを意識したみたいなシックな感じだし。


いつもゆるっとした、カジュアルな服を着ていることの多いナオちゃんの、その黒でしゅっとした服装に、私が驚かそうと思ったのに、逆に驚いてしまった。


やられた……完全敗北、です。