「そうだ、俺の結婚式、今月末なんだ。子犬連れてご祝儀たっぷり包んで遊びに来い」


「うん、ありがとう。でも、ご祝儀は気持ちしか包まないから」


秋斗が今までに見せたことないような、そんな大人な笑顔で私に招待状を渡してくる。


「俺……まだ完全にお前への気持ち断ち切れてないけど、自分の嫁も大切にしたいんだわ」


「うん」


秋斗が、かつて見たことないくらいに真剣な眼差しで私の肩をがっしり掴む。


「だから、お前も早く子犬の子供でも孕んで……」


「そこまで!それ以上言うな馬鹿狼ぃぃ!」


外から話を聞いてたらしいナオちゃんが、物凄いスピードで入ってきたかと思うと、秋斗の口を手で塞いでじたばたし始めた。