「とりあえず様子見かなぁ。どう出てくるか分からないし」


「うん。もし姫さんに手を出そうなら俺があいつを止めるまでだし!俺の方が若いからあんなのけちょんけちょんにするもんね!」


ナオちゃんは、なんだかいつになく殺気立ってる。まるで本気で喧嘩する子供みたいな顔をしている。


この状況なんだけれど、申し訳ないことにシャドーボクシングをしているナオちゃんに笑いが腹の底からこみ上げてくる。


「もー姫さん!笑い事じゃないんだからね!俺達のラブい時間があのバカ狼のせいで削れるんだよ?死活問題だから!」


「そんなの早苗ちゃんだって邪魔しに来るじゃん。一緒だよ」


「さ……早苗はいいのぉ!ってあれ、やっぱり良くない!」


よほど混乱しているのか、ナオちゃんは自分の言葉を訂正して、頬を膨らましてアンパンみたいにパンパンになった。


やっぱり可愛い。あざと可愛さ全開ですが、可愛さにころっとやられてしまうのです。