結局、私の買いだめしていたビールをがぶ飲みした揚句、泥酔状態の秋斗を幸四郎に引き取ってもらうことになった。


「全く、姫さんなんであんなの好きだったの?趣味悪いよ」


「んー……私もよく分かんない。永久の謎だよ」


だけど、好きだったんだ。どうしようもないくらい好きで、別れた後に記憶が飛ぶくらい飲む程、私は秋斗に本気だった。


「なんか、秋斗には裏があると思うんだ。ホントに私を奪うつもりじゃないと思う」


「裏って?」


ナオちゃんが、私の推測に眉間にシワを寄せて、難しい顔をして尋ねた。


「あいつ多分、何か隠してる。単純に私を奪おうとしてるならそれこそ無理矢理……ってこともあると思うんだ、秋斗の性格なら」


「あー、あの狼ならしかねない。あの強引さは引くレベルなの、短時間でよーく分かったし」


ナオちゃんがぶんぶんと、もげるんじゃないかって勢いで首を縦に振って、意見に同意する。


私がいない間に、二人はどんな面白い絡み……じゃなくて、どんなやり取りをしたからナオちゃんがこんな風に首を振るんだろう。