「ま……まあまあ、ナオちゃん怒らないでよ。好きなのはナオちゃんだけだよ?」


「ぷーっ!別にぃ!怒ってないもんねーだ!俺、心広いもん!」


そんなこと言ってるけどナオちゃん、頬っぺた膨らんでるって。なんだよ、あざと可愛いなぁこの子は。


ナオちゃんのすべすべの頬ををつっつきながら笑っていると、ナオちゃんは更に頬に空気を入れて固めた。


「あ、ほら見て!早苗ちゃんがウォームアップしてるよ」


プールサイドで柔軟をしていた早苗ちゃんが、ゴーグルを嵌める。


そして、刺さるように水面に飛び込んだかと思えば、水しぶきが殆ど出ないストロークで水を掻いている。


「早苗、小さい頃からスイミングスクール通ってたから、綺麗な泳ぎするよねー」


「なんか、早苗ちゃんの泳ぎってイルカみたいだね」


私なんか、水中入った瞬間水しぶきバチャバチャあげちゃうだろうに。